令和5年(2023)1月8日(日)
1.はじめに
令和4年(2022)は,例年になく吉備中央町一帯では柿の実がたくさんついた。令和4年(2022)の末に,14年間にわたり続けてきたブッポウソウ(Eurystomus orientalis)の繁殖システムと環境適応の研究に一区切りをつけることができた。もちろんこれでブッポウソウの研究が終わった訳ではなく,今年(2023)はさらに新しい研究を展開できるのではと,期待が膨らむ。ブッポウソウと並んで,吉備中央町をはじめとした里山(woodland)で生活する小鳥たちの持つ繁殖システムも研究してみたい。まずは,里山にすむ小鳥たちがどんな生活をしているかを詳しく調べてみたい。
野生生物の研究は,統計学を含む現代技術を駆使して進めることができる。しかし,現代技術があれば自然科学の問題が全て解ける訳ではない。特に野生生物の研究については,足を使って稼ぐ昔ながらの手段によって,考察に必要な多くのデータを得ることができるだろう。揶揄されても気にすることはない。お宝は,野生生物の多様な行動の中に潜んでいる。生態観察の筆頭は,カキの熟した実を食べに来たエナガであった。
2.被写体と撮影に関する基礎情報
<エナガの学名> Aegithalos caudatus. <英語> long-tailed tit. <分類> 鳥綱(Class Aves)スズメ目エナガ科エナガ属。
<撮影者氏名> 近澤峰男・三枝誠行
<撮影者プロフィール>
・近澤峰男 1951年生まれ。(自宅)兵庫県明石市。2019年5月不治の病にて逝去。
・三枝誠行 1951年生まれ。(自宅)岡山市北区。現在,NPO法人生物多様性研究・教育プロジェクト常任理事。
<撮影場所> 岡山県加賀郡吉備中央町和中にて。撮影日:令和5年(2023)1月6日。
<撮影機材> Canon EOS 7DとCanon EF 600mmレンズ。NIKON COOLPIX(風景)。
<撮影の可否> 撮影場所(吉備中央町和中)は,生物多様性研究・教育プロジェクトの基地になっています。基地周辺には,ブッポウソウやその他の小鳥たちの繁殖システムと環境適応の研究が行われています。研究・教育の実施に大きな支障をきたすので,基地内での撮影は許可できません。人里には普通にみられる小鳥なので,よい撮影場所はご自分で発見していただければ有難い。
<参考文献>
内田亨(1965)動物系統分類の基礎。北隆館。