生物多様性研究教育プロジェクト・リサーチレポート 攻撃と防御の十脚甲殻類 2023–No. 2(年末の四十曲峠越え)

令和5年(2023)1月6日(金)

 毎年12月下旬になると,鳥取県境港(さかいみなと)にある海産物直売場に行く。岡山市内からだと岡山自動車道から中国自動車道に入り,米子自動車道を使えば,米子までは2時間もかからないだろう。しかし,高速料金(片道3,550円;往復7,100円)は如何にしても高い。また,12月下旬となると高速道は冬用タイヤの装着が必要になるかもしれない。冬用タイヤは持っていない。

 となると,一般道(いわゆる下道)を通って岡山県から鳥取県に抜けるしか方法がない。一般道を通るいくつかの経路を考えてみたが,国道181号を通るのが一番確実である。つまり,181号が通行止めになれば,鳥取には行けない。

図1.四十曲峠への登りと下りの地図。吉備中央町(66号)から中国勝山(313号)を通って新庄村(181号)に行き,あとは道なりに行けば,鳥取県日野町,米子に行くことができる。問題は,新庄村から日野町までの間にある四十曲峠(しじゅうまがりとうげ;矢印9)を無事に越えられるか,である。12月下旬ともなれば,道路(181号)が積雪で通行止めになることがある。また,雪や雨が降った日の翌朝は,路面が凍って,私の車では行けない。積雪や路面凍結のない日を予想して,峠を往復するルートは,スリルがあって大変楽しい。年末の四十曲峠越えは,もう何十年も続けている。

 毎年12月中旬になると,インターネットで岡山県の積雪情報を毎日見る。令和4年(2022)は,12月20日(火)か21日(水)が越えられる最終日になると予想した。20日は,天気は良いものの,直売場が休みである。翌21日は,天気は良くないが,23日以降になると県北の積雪量(図1)が増すかもしれない。直売場の方も混雑が予想され,海産物の値段も上がる可能性が高い。そんなことを考えて,12月21日(水)が今年最終の機会だろうと予想した。

 図1は,鳥取への往復コース,図2から図14までは,四十曲峠の付近の風景を示している。撮影機材は,SONY RX10Ⅲだが,何度もお伝えしたように,SONY RX10Ⅲで撮影された画像は,ファイルサイズを縮小しようとすると(この記事では400–600 Kb),特に空や山の色がおかしくなる。見にくい写真もあるかと思うが,記事のファイルサイズの上限が6 Mbから7 Mbになるように作っているので,その点はご了解いただけるとありがたい。

図2.中国勝山から抜け道が国道181号に合流する場所(図1の矢印1)。地図(google map)でみると,真庭市神代という地名のようだ。正面の赤い実はナンテン。

 12月21日は,中国勝山(真庭市)までは,積雪はほとんど見られなかった。中国勝山から旭川に沿って313号を数百メートル行くと,学校の前を左に曲がる道(県道321号)がある。また,313号をそのまま真っ直ぐ行くと蒜山に行ってしまうので注意。県道321号は,狭くて曲がりくねった山道で,中国勝山から181号に出る抜け道として使われている。使っているのは多くは地元の人たちだろう。たまに来るのであれば,多少時間はかかるが,中国勝山から181号を道なりに行く方が気持ちとしては楽だ。

 抜け道(県道321号)を進むと,すぐにあたりは冬景色と変わっていた。抜け道が181号と合流するあたり(真庭市神代)は,一面に雪が積もっていた(図2)。181号に入り,鳥取方面に向かって走ると,美甘(みかも)渓谷を抜けて,新庄村に入る。さらに進むと右手に「道の駅がいせん桜・新庄宿」がある(図3と図4)。21日は営業中。道路(181号)は完璧に雪かきがされていて,この程度では休業になることはない。一方,道の駅の駐車場は厚さ1 cm以上の氷が一面に張っていた。

図3.道の駅「がいせん桜・新庄宿」(営業中)。ここの大福や餅はおいしいよ。行はトイレ休憩に立ち寄った。図1の矢印2の地点。

 道の駅を出るとすぐに新庄村の村役場の前に出る。村役場の手前に,野土路(のとろ)と181号の分岐点がある(図5)。野土路は,道路(県道58号)の名称なのか,「のとろ」という地名があるかは知らない。

 いずれにせよ,野土路を通ると蒜山に着く。私の車では,12月下旬から3月中旬までは,蒜山から大山に回り,大山から県道24号を米子に下るのは無理だろう。雪が降りだしたら,スリップして動けなくなる可能性が高い。

 野土路への分岐点(図1の矢印4と5)を右に見ながら,181号を進むと道路左側に大歳神社が見えてくる。このあたりから四十曲峠の登りにかかる(図6)。外気温は0ºCだが,路面の凍結はなかった(図7)。峠付近の路面が凍っていないことを祈りながら坂を上がってゆく(図8)。

 余計なことかもしれないが,新庄村から四十曲峠にかけて,そして鳥取側の山の斜面にも植林が目立つ。特に倉吉市・三朝町から智頭町にかけての脊梁山地(多くは鳥取県)には,よく成長した見事なスギ林がある。

図4.道の駅の道路(181号)を挟んで反対側の集落の風景。正面に赤い実はウメではなく,熟した柿。図1矢印3。

図5.新庄村から蒜山に抜ける野土路(のとろ)(県道58号)。冬にはこの道を通って蒜山に行くことはない。181号は左方向。58号,181号共に道路は濡れているが,凍ってはいないようだ。図1の矢印4と5の地点。

図6.大歳神社(図1の矢印6と13の地点)。ここから四十曲の峠越えに入る。積雪は20cmぐらいあるだろうか。

図7.新庄村を通過するときの外気温は0ºCだった。雪は降っていなかったので,車がスリップする心配はなかったが,峠がどうなっているかはわからない。

図8.四十曲峠への坂道(図1の7と8の地点)。道路に雪がなく,路面の凍結もなかった。警戒しつつも峠越えのイメージが膨らむ。13時頃だったと思うが,対向車は1台か2台とすれ違ったのみだった。

図9.四十曲峠のトンネル入り口。雪が降ったのは2日前。トンネルの周囲の雪景色が美しい。

図10.四十曲トンネルの中。片道一車線。道路の幅は狭く,トンネルは長い。トンネルの中には対向車はなかった。

図11.四十曲トンネルの鳥取県側出口(図1の矢印9のあたり)。トンネル出口から500mほどの距離が難所(車のスリップが怖い)。外気温は0ºC。

 国道181号は,四十曲峠でトンネルに入る。新庄村(図6と図7)から峠までは,車で15分ほど。すれ違う対向車は1台か2台ぐらいだったと思う。毎年峠付近には,何十センチもの積雪があるが,昼頃だと路面の凍結は解消されていることが多い。トンネル入り口の冬景色(図9)は特に美しい。四十曲トンネル(図10)は片側1車線で,長さも幅も昔から全く変わっていない。いつだったか,トンネルの中まで凍っていたことがあり,その時には峠を越える間生きた心地がしなかった記憶がある。そういう時には4輪駆動の軽トラで行けばよいが,これはこれでまた恐怖がある。

 トンネルと越えると鳥取県に入る(図11)。すぐに坂になっているので,車が滑らぬようにギヤをローに落としてゆっくりと下る。500 mも下りれば,あとは普通に走れる。(ところどころ,路面凍結があるので,できる限りゆっくりと下る。)

 峠から20分も走れば,日野町に着く。日野町の隣は江府町になる。江府町の役場の前の広場から見る大山の姿は本当に美しい(図12)。

図12.江府町(鳥取県)役場前の広場から見た大山(1,729 m)。写真左が日本海側。天気は曇りだったかと思う。鳥取に行くときはいつもこの場所で大山の写真を撮る。図1の矢印11の地点。

 国道181号は,日野川に沿って米子方面に行く。米子からは,431号に入れば30分程度で境港(さかいみなと)に着く。12月21日は,海産物直売場で2時間ぐらいいたように思う。境港を出たのは,15時頃だったかと思う。四十曲峠の気温は0ºCから2ºCぐらいだろうから,あまり遅くなると路面が凍り始めるという可能性もある。この日は路面凍結よりも,日没の方が心配だった。日が暮れてあたりが真っ暗になると山道は非常に走りにくくなる。しかも,路面の部分的凍結がわからないので,スピードを落としての走行を余儀なくされる。

図13.鳥取県から四十曲峠に至る坂道(帰り)。路面がぬれている。図1の矢印12あたりの地点。

図14.夕暮れの新庄村の風景(帰り)。夕方4時半を少し回ったぐらいの時間だったと思う。雪が降って路面が濡れている。もう暗くなりかかっている。図1の矢印6と13(大歳神社)。

 峠にさしかかる日野町に着いたのは,恐らく16時30分に近いころだっただろう。帰り道の峠付近は雪が降ったようで,多少路面がぬれていたが,路面の凍結はなかった(図13)。12月21日は,鳥取側から四十曲峠を越して,新庄村(大歳神社)に着いたのは,夕方4時半を少し過ぎたころだったと思う(図14)。ここまで下りてくるとちょっとほっとする。

 が・・・,岡山市内まではさらに2時間ぐらいはかかる。美甘にさしかかる前に日がとっぷりと暮れて,あたりは真っ暗になったと思う。いつも道の駅(図3)によって何か買って帰るが,もう真っ暗だったこともあり,この日は寄らずに通過した。

 自宅に帰り着いたのは,19時を過ぎていたと思う。四十曲越えは,夏や秋もいいが,冬もスリルがあってなかなか良い。何よりも周りの景色が美しい。

図15. 野土路(のとろ)の秋景色(県道58号)。令和4年(2022)10月14日。野土路トンネルを出てすぐ,道路沿いで撮影。正面に見えるのが蒜山。車で10分も走れば,米子自動車道の蒜山ICに出る。蒜山高原には,岡山市内(北区)からだと,吉備中央町か旭川沿いを通って中国勝山(真庭市)まで行き,そこから国道313号を行けば着く。一方,中国勝山から国道181号を行く場合には,新庄村から野土路(図5)に入ればよい。さらに蒜山では,県道482号に出て,県道114号(蒜山大山スカイライン)に入れば大山(鏡ヶ成や大山寺)に行ける。冬になると,私の車では通行が難しくなる日が多くなるだろう。

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