生物多様性研究・教育プロジェクト(Non-Profit Organization) 2023年,ブッポウソウ・教育教材展示会のご案内

令和5年(2023)6月15日(木)

1.はじめに
 あることがきっかけになり,平成9年(2009)からブッポウソウの研究指導をする必要に迫られた。野鳥に関しては,それまで全く扱ったことがなく,生態学に対する知識は全くと言うほど持ち合わせていなかった。そんな状況は,私が今まで研究してきた海産動物(無脊椎動物)の系統分類学,生態学,行動生物学などにおいてもたびたび遭遇した。私は新しい学問にチャレンジすることが好きである。

 しかし,チャレンジするからには,自分が先頭に立って学問を進めるという決意が不可欠である。失礼なことを申し上げて恐縮であるが,自称・他称に関わらず,いわゆる専門家のおっしゃることに従って学問を進めて行くと,得体のしれないオカルトの世界に引き込まれる。

 社会には,自分の意見は強く言うが,自分の主張は客観的な視点があるか,また公平性や論理性があるかなどの検証(verification)を嫌う人たちが多い。

 検証の嫌いな人たちと距離を置き,自分の学問を進めるには,当然ながら自分の頭で思考することになる。あまり優れている訳でもない頭だから,判断を下すまでに時間はかかる。さらに,時間をかけて生み出した思考(判断)は,検証される必要があるだろう。

 昔だったら権威者を頼りにするしか道はなかったが,今ではもっと客観性・公平性の高い検証システム(verification system)がある。つまり,研究の結果をまとめて原著論文(original paper)を書き,論文を掲載するジャーナルに投稿すればよい。エディターや査読者のコメントが「検証」の役目を果たすだろう。もちろん,エディターや査読者はいつも公平な,そして客観的な判断をお持ちになっているとは限らない。

 判断する側の人たちも,常に思考にバイアスがかかっているに違いない。しかし,これは人間のやっていることなので避けようがない。それでも,判断をいつも権威者頼みにする日本の社会運営システムよりは,カルト色の強い判断が入る余地は狭まるだろう。もちろん,判断に至るまでにはAIを利用することは大きなメリットはある。しかし,最終判断をAIに委ねてしまうことになれば,人間はAIの手下になる。結局はAIに自由を奪われる方向に社会が変わって行くだろう。

 ブッポウソウの研究についても,私は権威者の判断に頼ることなく,自分の頭で考えて判断する道を選んだ。時間はかかったが,やっと私の判断(decision)を公開できる段階に達した。難しいことには興味がないとおっしゃる方々やカルト色の強い思考をお持ちになっておられる方々は多いと思うが,逆に私の方もそういう人々には興味がない。

2.展示会の場所とスケジュール
場所:ロマン高原かよう図書館
    〒716-1101 岡山県加賀郡吉備中央町豊野1-2
     ロマン高原かよう総合会館(アクセス
   (※ かもがわ図書館ではありません)

<7月1日(土)>
13:00~14:00 講演。
演者:三枝誠行(生物多様性研究。教育プロジェクト)
演題:鳴き声(言語)と行動から読み解くブッポウソウのこころ(前半)

14:00~16:30 展示会(別会場)。講演会場では,「近澤峰男さんの心象風景」と題して野鳥や自然環境についてのスライドショー。

<7月2日(日)>
13:00~14:00 講演。
演者:中堀清(生物多様性研究・教育プロジェクト)
演題:ブッポウソウの暮らしを学ぶ(仮題)

14:00~16:30 展示会(別会場)。

<7月8日(土)> 
13:00~14:00 講演。
演者:三枝誠行(生物多様性研究。教育プロジェクト)
演題:鳴き声(言語)と行動から読み解くブッポウソウのこころ(後半)

14:00~16:30 展示会(別会場)。講演会場では,「四季折々の自然の風景と野鳥」か「サンゴ礁とサンゴ礁原」に関するスライドショー(予定)。

展示品は,7月1日とはかなり違う。

3.展示作品の例
1)「四季折々の自然の風景と野鳥」or「サンゴ礁とサンゴ礁原」
パワーポイントを使い,スクリーンに画像を映しだす。講演会場の方で(14時から16時30分まで)。
No. 11からNo. 23までの分。(インターネットで「四季折々の自然の風景と野鳥」で検索すれば,前もってご覧いただけます。)

2)ビデオ画像(音声入り)。講演会場とは別の会場(展示会場)にパソコンと大きめのモニターを置き(各5台),各教材を展示する。
<7月1日と2日(前半)>
・「ぴよ吉」の食事風景とグーグルグルコール(動画)。なお,ぴよ吉はどうもオスではなく,メスのようだ。よくなついている。
・ブッポウソウのカラス追い払い。すごく迫力がある動画です。大きな「パシッ」コールも入っている。2023年6月14日美納谷(H-01)。
・ブッポ,シジュウカラを追い払う。「四季折々の自然の風景と野鳥」に掲載済み。
・ブッポウソウが巣箱の中で卵を温めているとき。カメラを入れると,すごい鳴き声(ケーーーーー,ゲゲゲゲ,ケーーーーーみたいな)。
・山田昭代(2012)ブッポウソウ紹介ビデオ。まだ十分に教材として利用できる。
・難波誠一郎・平澤一浩(2023)ブッポウソウ:抱卵~襲撃の記録。
・ブッポウソウの木彫り(近澤峰男作)と野鳥のアクセサリー(アクリルケースに入っている。)案内の最後のページに写真あり。

<7月2日>
・未定

<7月8日(後半)>
・多くの巣箱におけるヒナの成長の記録(音声と動画)。
・ピヨ吉の生まれたとき,そして成長の記録。
・巣立ち間近の巣箱内外の風景(ものすごくやかましい)。親の威かく飛しょうと攻撃飛しょう。
・ヒナへのエサやり風景。このシーンを多くの人たちは撮影したいのだろうが,多様性プロジェクトにとっては,行動の一部と認識。
・里山に咲く四季の草花(予定)

4.参考文献(展示はしていない)
・石井直樹(2020)Raven Liteを用いた鳥声分析入門。(インターネットで購入できる。)
・三枝誠行・近澤峰男(2022)自然のふところ(近澤峰男さんと共に歩んだ自然哲学の道)。生物多様性研究・教育プロジェクト出版会。
(在庫なし。本は吉備中央町のロマン高原かよう図書館とかもがわ図書館で閲覧可能。展示しているかは不明。)
・Newton, I. (1998) Population Limitation in Birds. Academic Press.
・Williams, T.D. (2012) Physiological Adaptations for Breeding in Birds. Princeton University Press.
・MacKinnon, J., and K. Phillips (2000) A Field Guide to the Birds of China.
・小西正一(1994)小鳥はなぜ歌うのか。岩波新書。
・Tsutsui, K., and T. Ubuka, 2018. How to contribute to the progress of neuroendocrinology: discovery GnIH and progress of GnIH research. Frontiers in Endocrinology 9: 1-16.

<問い合わせ>
・ロマン高原かよう図書館(0866-54-1331)
  (ロマン高原かよう総合会館内)

<お断り>
・ピヨ吉の終生飼養許可は環境省から取っています。
・バックミュージックを流すことについては,著作権情報センターに問い合わせ,非営利活動の場合には自由に流せることを確認しています。
・画像や動画は,主催者が撮影したものを使っています。画像や動画の著作権は,生物多様性研究・教育プロジェクトが保有します。

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