生物多様性研究・教育プロジェクト Internet Photo-Exhibition of Wild Animals(インターネット野生生物写真展) 2023–No. 3: 左目でファインダーを覗く。

令和5年(2023)1月15日(日)

1.はじめに
 左右対称動物の体は,体の前後に伸びた中枢神経系に対して対象な構造を持つ。左右対称の構造は,体の前後軸に沿って,右と左でそれぞれ独立に作られる。だから,ヒトでもわかるように,見かけ上は完全な左右対称であっても,形態を比較すると左右で微妙に異なる。

 私の手や足も同様に,左右別個に作られており,体の機能に左右で違いがみられる。私の場合には,体の右側は多くの部分で機能的に優れているが,左側はどうも機能的に劣っている感じがする。手足を含めて,体の故障も,右側よりも左側で圧倒的に多く生じている。しかし,丈夫に見えた右側の体も,年とともに機能的に劣化が目立つようになってきた。そして機能的な劣化は,じわじわと目の機能にも及んできた気がする。

 野鳥の姿を撮影する際に,私はいつも右目でファインダーを覗き,シャッターを切っていた。去年(2022)の夏にCanon EOS 7Dを使ってブッポウソウの撮影をした。使用したレンズは,キヤノン EF600mm F4L IS II USMであるが,どうもこのレンズは目に大きな負担がかかるようだ。夏の終わりに,毎晩就寝中にすごいめまいが襲ってきた。体全体が「ぐわー」と回るめまいならまだよかったが,続いて起こる吐き気はつらかった。ブッポウソウの季節が終わり,600mmレンズを使わなくなると,めまいも吐き気も収まった。

 今年(2023)はお正月(1月1日)から吉備中央町の和中(峰ピョン谷)で,野鳥の撮影を行った。熟した柿の実には,常連の鳥たちや一元さんの鳥たちが交代で現れては去り,しばらくするとまた現れては去っていった。要するに谷の中を巡回しているのだろう。

 撮影はとても楽しいが,数日前からまた夜中に寝返りすると,めまいと吐き気が復活した。一番大きな原因は,目の機能の老化だろう。めまいと吐き気がレンズのせいと決めつける訳には行かないが,目の機能の低下を黙ってみている訳には行かない。左目でファインダーを覗く習慣をつけたら,夜は安心して眠れるか,テストを始めた。

2.被写体と撮影に関する基礎情報
<野鳥の和名> アオゲラ・シロハラ・エナガ・メジロ・トラツグミ・アオジ(学名はWikipedia等で簡単に検索できる。) 
<撮影者氏名> 近澤峰男・三枝誠行 。<撮影者プロフィール> 近澤峰男:1951年生まれ。2019年5月不治の病にて逝去。
三枝誠行:1951年生まれ。NPO法人生物多様性研究・教育プロジェクト常任理事。
<撮影場所> 岡山県加賀郡吉備中央町の「和中」。撮影日:令和5年(2023)1月4日と6日。<撮影機材>Canon ES 7D, EF600mm F4L IS II USM。
<参考文献> Masunari, N., K. Sekiné, B.-J. Kang, Y. Takada, M. Hatakeyama, and M. Saigusa (2020) Ontogeny of cheliped laterality and mechanisms of reversal of handedness in the durophagous Gazami crab, Portunus trituberculatus. Biological Bulletin 238: 25-40.

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