令和4年(2022)5月3日(火)
和中の谷(峰ピョン谷と名付けた)は,4月末から急に昆虫の姿が多くなった。まだブッポウソウが食べられそうな昆虫,特に甲虫類は少ないが,種類を見ると確実に増加しているのがわかる。小さなコガネムシやシオカラトンボ,カワトンボなどは食べるだろう。なお,この時期には5‐6種類のチョウが飛んでいるが,ブッポウソウはチョウは食べない。
図1.峰ピョン谷にあるブッポウソウの止まり木(鹿の角)。このオスは2022年も5月2日に現れた。SONY RX10Ⅲで撮影。
峰ピョン谷には多様性プロジェクトの基地がある。谷の中央に電柱を立て,巣箱を添架した。4年ほど前からビデオカメラを設置し,ブッポウソウの行動観察をモニターしている。昨年(2021)クリの枯れ木を切ってきて,巣箱のある電柱から20mほどのところに立ててみた(図1)。止まり木の名前は「鹿の角」。予想通り,すぐに利用された。
なぜ「鹿の角」を立てたかには理由がある。この止まり木の15mぐらい奥に杉の林があり,スギのてっぺんまでの高さがやはり15mぐらいある。この巣箱は,どうもオスよりもメスの方がヒナへのエサやりが熱心で,巣箱とヒノキのてっぺんとの間を頻繁に往復していた。巣箱は地上4mのところにあり,杉の木のてっぺんは地上15mほどのところにある。つまり,30mの間にメスは10m以上も急角度で上昇しないと,杉のてっぺんにはたどり着けない。エサ運びは結構大変な仕事である。ヒナが少し成長し,エサ運びの頻度が増すと,急角度で上昇する場合には,メスはへたってしまうことに気づいた。杉のてっぺんに向けて上昇しているときに,途中で杉の枝にバッタリと倒れ込むようなしぐさが何度も見られた。
図 2.「鹿の角」にとまるブッポウソウのオス。行動パターンから昨年(2021)と同じオスと思われる。令和 4 年(2022) 5 月 2 日。このオスは昨年も同じ日(5 月 2 日)に現れた。「鹿の角」にとまってメスを待っているのだろう。
図3.「鹿の角」にとまるブッポウソウのオス。建物の縁に腕を固定して撮影(ブレがさらに少なくなる)。5月2日。
多様性プロジェクトでは,ブッポウソウの写真を撮りに来る方々に,良い場所を指定している。美原集落センター,天福寺,妙本寺など,ブッポウソウ総合情報センターニュースで公開しているので,その情報を参考に来ていただきたい。中山良二さんに問い合わせると,中山さんが関係した場所を推薦する(それがいいかどうかという議論はしたくない。)多様性プロジェクトの公開している巣箱で撮影したい場合には,日名義人さんの方に尋ねてみたらよいだろう。横山様で撮影するのとは雰囲気の異なる里山の自然を見出すことができるはずだ。
日名さんの携帯の電話番号:090-4657-9587
(電話番号の掲載許可あり)
図4.足王大権現の近くの電柱に設置した巣箱(一番右)を奥の方の電柱に移設。この巣箱(G-04)では昨年(2021)卵を温め中のオスが何者かに襲われ,首を捕られてしまった。犯人はイタチと思われる。同じ場所に置くと,同じことが起きる可能性がある。今年は100mほど奥の電柱に移設した。令和4年(2022)5月2日。
図5.昨年首をもがれたブッポウソウのお墓。実際のお墓は和中にあるが,G-04の巣箱の近くにはいつもきれいな花がたくさん咲いている。私はこのお花畑が首をはねられたブッポウソウの本当のお墓だと思っている。5月2日。