御畳瀬(みませ)の底引き網漁

12月20日(金)に御畳瀬に電話したところ,前日に底引網をして「余りもの」を冷蔵庫に入れておいたということで,急きょ行くことにした(図1)。

図1.高知道の入り口付近(最初のトンネル手前)。カメラ(NIKON Coolpix)はファインダーを覗かず、適当な高さに持ってシャッターを切る。きれいに撮ることは全く考えていない。何か風景が移ればOK。

20日は平日で、高知インターまでの高速道路利用料金、さらに瀬戸大橋通行料も土日に比べて高いが、御畳瀬支所は土日休みなので平日に行かざるを得ない。

図2.談笑しながらレンコダイの頭をすぱすぱとちょん切ってゆくおばちゃんたち。

20日には前日(19日)の底引き網(深さ320mとのこと)で獲れた魚の頭を、おばちゃんたちがちょん切っているところだった(図2)。獲物はレンコダイが多いように見える。(実は、知っているのはタイとレンコダイぐらいしかない。)

研究に必要とされるエビ・カニ・ヤドカリは、カニ1匹、ここには映っていないがオサテエビ1匹、それに小さなヤドカリ数匹ぐらいだった(図3)。この前はコシオリエビが大量に入っていたが、今回は非常に少なかった。また、カニ類が非常に少ないのが特徴で、砂泥底にはほとんどいないのか、あるいは深いところ(水深200m以上)には分布していないのか、どちらかなのだろう。

図3.底引き網で獲れた十脚甲殻類。この日(12月20日)は、欲しい十脚甲殻類はわずかしか入っていなかった。

ヤドカリは、小さな個体ばかりでアカモンオキヤドカリ(右ハサミが大)が多く、タンカクホンヤドカリ(やはり右が大)が少々というところ。コシオリエビは、オオコシオリエビとアカツノチュウコシオリエビ(だったか)が少々。

エビは3~4種類はいたと思うが、ものすごい数が入っていた。適当に拾い上げて洗い、夕食のおつまみに醤油にちょっとつけて生で食べたらおいしそうだが、とてもその余裕はない・・・。

一方、底引網ではいろいろなものが獲れる。多くは魚類で硬骨魚に混じって軟骨魚(サメとか)もいるが、残念ながら名前は全然わからない(図4)。(調べればある程度分かるだろうが、甲殻類の整理の方が忙しく、魚類やその他の無脊椎動物まで手が回らない。

図4.底引網で獲れた魚介類。ここに写っているものは、中央のゲタのような魚を除いて食べられないと思う。身が少ないというのもある。

研究とはかかわりのない動物の写真(特に魚類)を撮ったので、ここに掲載する。

図5.愛嬌のある顔の橙色の魚。種類わからん・・・。

まず、図5をご覧いただきたい。なかなかフォルムよし。顔もよし。2~3匹入っていたように思う。

図6.鋭い歯を持つ長い魚。深海魚の一種?

図6は、体長30㎝ぐらいの魚で、鋭い歯が見える。こんな歯でカプリとやられたらもう逃げることはできないだろう。同じような体形でアナゴのようなのも入っていた。

図7に示した魚は一見メバルみたいでうまそうに見えるが、とても食える代物ではないという。渡船に乗ればこんな魚が釣れることがあるだろう。釣った人はすぐに海に戻すのだろうか?それとも家に帰って焼いて食べてみるのだろうか?

図7.名前は知らないがとにかく食えないメバルみたいな魚。背びれは鋭い棘構造になっている。右端(下)に見えているのは、たぶんウミウシの一部。
図8.ゲタみたいな魚、マツカサウオの親戚みたいな魚、頭部がとがり尾の方は紐になっている魚、アンコウ(子供)。ウミウシ(一部)も見える。

ゲタみたいな魚(図8)は下あごが突き出ていて、これでガブリとやられたら逃げられないと思う。深いところにいる魚は、目がすごく大きいか、やたらに鋭い歯を持っていたり、バカでかい口だったりする。

図9.何か目つきの悪い魚たち。尻尾は細いヒモ状になっている。

図9は怖い目つきの魚2点。これはたくさん入っていたので、集団で生活しているのかもしれない。

底引網に結構たくさん入っていて、おばちゃんたちに最も嫌われている魚を図10に示している。すごくきれいな色をしているが、胸鰭が鋭い棘になっていて持つと手に刺さる。また背びれも激しい棘になっていて、これまた体をつかむと手に刺さるので、大変嫌がられる。首切りテーブルの土間(コンクリート)には、この魚が無造作に捨てられている。うっかり踏みつけると大変である。

図10.かわいい魚だが、背びれ・胸鰭の棘が何とも・・・。

最後に、頭をちょん切られる前のレンコダイの写真(図10)をひとつ。

図11.山積みになったレンコダイ。

頭を切り落としたレンコダイはどうなるのか、聞き忘れた。頭の方は、都会に近ければ生ごみとして焼却場送りだが、田舎の方では大概は海にポイ・・・。

20日はこんな状況なり!

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