生物多様性研究・教育プロジェクト(四季折々の自然の風景と野鳥) No 36: 秋の播磨高原と野鳥

2023 年 11 月 23 日(木)

1.はじめに
 兵庫県の地図を見ると,播磨北西部に「ちくさ高原キャンプ場」がある。Google mapで岡山県と兵庫県の境で,若杉自然林と岡山県最高峰の後山(1,344 m)を結ぶ直線の中間を見ると,「ちくさマウンテンビレッジ」という公園があるのがわかるだろう。「ちくさ高原キャンプ場」は,「ちくさマウンテンビレッジ」の下にカッコで示していので,公園の中にあると思われる。

 ちくさ高原キャンプ場は,岡山県側からだと,西粟倉村から吉野川沿いに若杉天然林の方に行けばよい。20分で峰越峠(みねこしとうげ:兵庫県宍粟市)に着く。道路はここから県道72号に入る。峰越峠から5~6分で「ちくさマウンテンビレッジ」に着く。

 県道72号は,岡山県にもある。国道53号から左に分かれて吉備中央町に行く道がそうである。まさか,「ちくさマウンテンビレッジ」まで県道72号でつながっているのかと調べてみると,両者は同じ名称の異なる道路であった。「ちくさ高原キャンプ場」の前を通っているのは,鳥取県道・兵庫県道72号若桜下三河線であり,鳥取県八頭郡若桜町岩屋堂と兵庫県佐用郡佐用町下三河を結んでいる。一方,岡山空港の近くを通る72号は,岡山県道72号岡山賀陽線と言い,岡山県岡山市北区から加賀郡吉備中央町を結んでいる(通称吉備新線)。

 兵庫県の県道72号は,鳥取県八頭郡若桜町・岩屋堂が起点になっている。Google mapを見ると,確かに鳥取県八頭郡若桜町から県道72号(これは鳥取県道72号?)が南に延びているのがわかる。

 しかし,不思議なことに,鳥取県からの県道72号は,兵庫県の72号に連結していない。つまり,鳥取県からの県道72号は,兵庫県の峰越峠には来ていなくて,もっと南の宍粟市千種町(しそうし,ちくさちょう)の方に行っている(図1)。可能性としては,県道72号は,兵庫県ではY字型をしているか,あるいは南に下る林道(グネグネした山道だが,一応舗装はされている。)には,県道72号という名称がついていないかのどちらかであろう。県道72号は,岡山県と兵庫県では全く違う道路になる。鳥取県と兵庫県の場合にも,たまたま近くにあるだけで,まったく違う道路なのかもしれない。

 近澤峰男さんは,ちくさ高原キャンプ場がお気に入りだったようだ。平成27年(2015)10月30日,平成28年(2016)11月11日,平成29年(2017)11月7日と3年連続して訪れている。いずれも明石市の実家から日帰りだっただろう。

2.撮影と執筆の基本情報
<撮影と記事の執筆> 近澤峰男・三枝誠行。<所属> NPO法人(Non-Profit Organization)生物多様性研究・教育プロジェクト。
<撮影機材> 風景はSONY RX10Ⅲ,野鳥はCANON EOS 7D MarkⅡ (600 mmレンズ装着)で撮影。SONY RX10Ⅲは風景写真には向いている。

3.参考文献
兵庫県(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/saibun/hyogo.pdf)
兵庫県の難読地名(https://tabizine.jp/2021/08/28/420229/)

図 1.ちくさ高原キャンプ場へのアクセス。岡山県側からだと,国道 373 号から吉野川沿いに上がり,峰越峠を越えて兵庫県道 72 号に入る。峰越峠から 5~6 分も下れば「ちくさ高原キャンプ場」に着く。兵庫県側からだと宍粟市(しそうし)まで行き,そこから 29 号を北に行き,429 号(これは長い道路。吉備中央町も通っている。)に入り,しばらくして右折し,県道 72 号に入る。宍粟市で高速を降りずに,佐用町まで行って,そこから 373 号に入ることもできる。近澤さんがどちらのコースを利用したかは不明。鳥取県の県道 72 号は,鳥取県八頭郡若桜町・岩屋堂が起点になっていて,7 km ほど南(鳥取県内)で消滅している。一方,兵庫県の県道 72 号は,岡山県との境にある峰越峠が起点で,下三河の県道 53 号(岡山県にもある)との合流点で消滅している。しかし,それならば,若桜下三河線と呼ぶのはおかしい。Google map がどこか間違っているかもしれない。道路の表示はややこしい。

図 2.鳥取県道 72 号の終点。72 号はここで終わりのはずだが,後方に続いている感じを受ける。右の林道を行けば,三室の滝(ちくさ町)に出る。

図 3.鳥取県道 72 号の終点から続く林道。グネグネ道を下って行けば三室の滝(ちくさ町)に着く。撮影は 2015 年 5 月。5 月中旬から 7 月にかけては,道路沿いに樹の花が咲く。白い花(例えばサワフタギ)を見つけたら,長い竿の先につけた捕虫網ですくってみるとよい。訪花性の昆虫を採集することができる。特にこのような開けた場所(図 3)では,白い花に昆虫が多く集まる。多少のスペースのある所に車を止めて,花をすくってはまた次の場所に移動して花をすくう。朝 10 時ごろから昼の 2 時ごろまでがよい。一日楽しく過ごすことができる。近澤さんは,野鳥の写真,私は昆虫採集。

図 4.ちくさ高原キャンプ場。野鳥を撮影すべく,カメラを構えている近澤峰男さん。近澤さんは三脚を使わずに撮影をしていた。

図 5.紅葉したモミジ。思い出を作って,世に公表することが大事。誰かに見られることを期待しなくてよい。自分はこれが楽しいと思える思い出を作ればよいのではないだろうか・・・。そして,その思い出をいくらかお金を払って(HP の開設)世に出すことは意義あることだと,私は想う。

図 6.紅葉したモミジと渓流。ちくさ高原キャンプ場あたりだと,渓流に生息する淡水魚は,アマゴとタカハヤぐらいだろうか?

図 7.渓流を泳ぐアマゴ。キャンプ場とは別の渓流(横行渓谷)で撮影された。アマゴにしては赤い斑点が少ない感じを受ける。成熟個体だろう。

図 8.流れのないところで静止しているアマゴ(図 7 と同じ個体)。体長は 20 cm ほどと思われる。近澤さんも,私と同様にアマゴにはよく反応する。

図 9.キャンプ場のモミジの紅葉。モミジは紅葉するとすぐに散ってしまう。キャンプ場あたりでは,10 月 25 日から 11 月 5 日までの 10 日間ぐらい。

図 10.ちくさ高原キャンプ場(標高 820m)周辺の風景。正面の山(スギに半分隠れている)は,後山(1,344 m)と思われる。

図 11.ちくさ高原キャンプ場の野鳥。樹(種類は不明)の幹の間から顔を出したヤマガラ。この木はだいぶ太い。ハルニレかアキニレ?

図 12.ちくさ高原キャンプ場の野鳥。エゴノキ(?)の実を捕ろうとしているヤマガラ。落葉広葉樹林帯の樹木は、あんまり勉強していない。

図 13.樹の実をくわえて移動中のヤマガラ。エゴノキの実ではないかという感じがするが,間違えたらごめんなさい。

図 14.ちくさ高原キャンプ場の野鳥。ヤマザクラの枝にとまるベニマシコ(?)。かわいい子鳥である。

図 15.ちくさ高原キャンプ場の野鳥。コゲラ。枯れ木にできた「うろ」(cavity)をじっと見ている。これ使えるかな?使えないかな?

図 16.シジュウカラ。とまっている木の樹皮はあまり見たことがない。カツラとかニレとか,そんな種類なのだろう。

図 17.キャンプ場の駐車場。とまっているのは近澤さんの愛車と思いたいが,多分違う。近澤さんはこのころは軽の四駆を使っていたと思う。

図 18.紅葉真っ盛りのモミジ。どんな紅葉が美しいかは人によって大きく異なる。自分は美しいと思える風景を撮影して公開したらよい。

図 19.ハゼノキかヤマウルシの実を食べに来たツグミ。ハゼノキの実は,秋から冬にかけては野鳥の貴重な食糧源である。

図 20. エゴノキかヒメシャラの実を食べるシジュウカラ。樹皮はエゴノキの歩が近い感じがするが,間違っている可能性も高い。

図 21.タラノキにとまる小鳥。種類は何か忘れてしまった。エゴノキの実を食べに来たのだろう。鳥は実が食べごろの時期がわかるみたいだ。

図 22.扇ノ山登山道入り口と思う。近澤さんの愛車(軽の四駆)とともに自撮り。2014 年 6 月 18 日。朝だとゼフィルスがたくさん飛んでいそう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です