ブッポウソウ総合情報センター速報(No. 35)

令和3年(2021)7月20日(火)

上井原・小森から江与味方面の巣立ち状況(7月19日)

ブッポウソウの研究では,いくつかの重要な課題がある。そのひとつが,繁殖状況の年ごとの比較である。どのような方法でデータを取り,何を比較するかは,研究をしている者によって異なる。だから,同じ行動,例えば,いつ卵が産まれ,いつヒナがふ化し,いつ幼鳥が巣立ちするかについては,人によってデータの取り方が違う。原著論文を書こうと思えば,実験や観察の方法を明記し,自分でデータを取らなければない。

私は,主に小型カメラ(CASIO Exilim)を使って,多くの場所に設置した巣箱を覗き(ちょっと言葉が悪いか・・・)子育て状況をチェックして回ることで,上記の課題にアプローチしている。巣箱をチェックは,可能な限り頻度を高くしたい。しかし,巣箱の数(200以上)と,巣箱の設置場所が広範囲にわたること,さらに天候の影響もあって,5日から1週間ぐらいの間隔(interval)になる。

7月19日(月)は,天気は曇り。まだ梅雨明けという感じはないが,気温は高い。雨の時間は減ってきている。7月19日は,上井原から小森を抜けて江与味(えよみ)の巣箱をチェックした(図1)。

図1.梅雨明け直前の里山の景観(7月19日,上井原のあたり)。
晴れると猛烈に暑い。

小森から江与味方面で調べた巣箱は15コ。11の巣箱で巣立ちが終了していた(表1)。4分の3ほどの巣箱で,巣立ちが終了した。ヒナがいる巣箱はすべて巣立ち中の巣箱だった。なお, 卵がなくなったところやヘビの捕食を受けた巣箱についてはカウントしていない。

ヒナがふ化してからは,ヘビに襲われない限り,95%以上が巣立つと思われる。巣箱の高さは4~5mほど。この高さで木柱や樹木の幹に巣箱をかけたら,確実に100%捕食される。

表1.小森から江与味方面における巣立ち状況(7月19日)。
7月24日までには全部出てしまうだろう。
図2.巣立ち中の巣箱(A-33)で一匹残ったヒナ。くちばしは写真の下側。左眼も見える。ちゃんと生きている。雨が多いと巣箱の中はべたべたになり,ヒナが排出した尿酸の臭いが鼻を突く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です