【ブッポウソウ総合情報センター】速報(No.18)

令和3年(2021)6月27日

私は写真家にはなれそうもない。

1.ブッポウソウ観察小屋
峰ピョン谷(詳しい場所は教えられない)には,総合情報センターの基地があって,基地の中にいくつかのブッポウソウ観察小屋がある。図1の一番右に見えるのは,第3観察場所である。観察小屋から巣箱までの距離は19m,Y字止まり木までは25mしかなく,カメラを直接向けたらブッポウソウはすぐに逃げてしまう。だから,ブッポウソウを驚かさないように,観察小屋は遮光ネットが掛けられている。

図1.峰ピョン谷にある第3観察場所。写真中央やや左にあるY字型の枯れ木は,
ブッポウソウの止まり木。巣箱は写真左側にあるが,写っていない。
春に一度草を刈ったが,2度目に刈る前にブッポウソウが来てしまった。
草茫々(ここはヒメジョン)になるとマムシが住み着く。

2.Y字止まり木はよく利用されている。
峰ピョン谷は小さい谷で,最初はブッポウソウが子育てする面積として狭すぎるのではという懸念があり,周囲の木をいくらか伐採した。切った木が倒れた際に左手を直撃し,左指に大けがをしてから伐採はやめた。頭部か胴体を直撃していたら,と思うとぞっとする。素人がやたらに木を切るのは危険である。

峰ピョン谷で本格的にブッポウソウの観察を始めたのは去年(2020)からである。巣箱は他の中央にあり,巣箱の入り口の正面にヒノキ林がある(図2)。ヒノキ(全部で9本ほど)は15mぐらいの高さがあり,去年のブッポウソウはよくヒノキのてっぺんにとまっていた。

図2.Y字形止まり木にいるブッポウソウ。Focusはブッポウソウに合っているから,
画像を拡大するときれいなブッポウソウが見えるはずである。

ヒナがふ化すると,ブッポウソウはヒノキから飛び立ってエサ(昆虫)をとり,それから滑空して巣箱の近くに来て,地面から1mの高さから4mの高さにある巣箱まで一気に羽ばたいて上がり,ヒナにエサをやった。その後は,また滑空して戻り,今度は15mのヒノキのてっぺんまで一気に登って小休止というパターンを繰り返していた。

ヒナが小さいうちはよかったが,成長するとたくさんエサを運ばねばならず,ヒノキと巣箱の往復が大義になったのであろう。メスは,ヒノキのてっぺんまで行かず,真ん中あたりで止まるようになった。いくら何でもこの落差を往復するのは大変だろうと思い,巣箱とヒノキの間にY字止まり木を置いた。撮影のためというよりも,ブッポウソウの苦労をおもんばかってのことである。

案の定,今年(2021)はY字止まり木をよく使っている(図2)。

3.物語を書くための素材としてブッポウソウを撮影する。
私には原著論文を書くという目標がある。これがないと若い科学者や専門性の高い技術者を育てられない。漫画も好きだが,残念ながらデッサンの能力がない。ゲゲゲの鬼太郎や進撃の巨人みたいに,ブッポウソウの物語を漫画で書けたらすごく面白いだろうなと思う。

巣箱(図3)の外側と内側にはビデオカメラがついている。内部カメラの配線を巣箱に入れようとしたが,気に入らなかったらしく,ブッポウソウが外に出してしまった。ということで,巣箱の右側には配線を入れるビニール袋を掛けた。内カメラの設置,並びに内外カメラの配線の収納の都合で,ご覧の通り,巣箱は変な格好になった。巣箱の右側には,ビニール袋がだらりと垂れ下がり,道路側からカメラを向ける人たちは大変うっとおしく思うだろう。

しかし,峰ピョン谷の巣箱はカメラマンのために設置された訳ではない。また,峰ピョン谷に来ていただきたいと言ったこともない。近澤峰男さんにお借りした2つのカメラがあれば,自分だけでいい写真がいっぱい撮れるようになった。ブッポウソウの研究には精度の高いカメラがある方がよいと私は思っている。その理由については,いずれ議論するだろう。

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