12月14日は高知県須崎市の池ノ浦(港)に行きました。購入した十脚甲殻類の標本はまだ冷凍で整理していないので、とりあえず途中の風景などお送りします。高知の自然を楽しんでいただけるとありがたく存じます。
岡山から四国に行くには,瀬戸大橋(図1)をわたります。また、四国に入ってからは下道(国道)を行くと、優に高速の倍以上の時間がかかります。ということで、岡山から高知インターまですべて高速です。土日は瀬戸大橋通過料と高速道路料金がだいぶ安くなります。
四国はまだ雪はありませんが、2月ごろに笹ヶ峰周辺(図2)では山が白くなることがたまに(まれに?)あります。
土佐湾はこの日も穏やかなり。太平洋岸に出ると室戸岬はうっすらと見えますが(図3)、足摺岬は横浪半島(宇佐から行く)に上がってからでないと見えません。
横浪半島の池ノ浦に下る細いグネグネ道からは土佐湾の岩礁海岸(図6)が見えます。今沢山手に入る古ガニ類(白亜紀の後半から繁栄が始まった)は、岩礁海岸の20m~50mぐらいに集中して分布していると思われます。
なお、原ガニ類、古ガニ類、新ガニ類という呼び方は、ある人の原著論文(2008)の図を参考にして、私たちの研究チームがつけた名称です。ヤドカリだと、このような呼び方でなく、鋏脚(鋏のついている第1歩脚)の左右対称群、右大型非対称群、それに左大型非対称群がいいかもしれません。いずれもカニ類とヤドカリ類の進化を反映すると思われる呼び方になっています。
私たちの研究チームが現在集めているのは、古ガニ類です。古ガニ類はおじいちゃん・おばあちゃんが乗る小型船を使った刺網で採集されます。もう少し若い(と言っても50過ぎ?)の人たちは、釣り人を釣り場に案内する渡船をやっているようです。
いつも気になることがあります。例えば底引網をやると、メヒカリとかニギス、あるいはそれに混じってアンコウやサバなどが入りますが、それ以外にまあ奇妙奇天烈な魚が一緒に入ってきます(写真はいずれ別の機会に)。そういう不思議な形態をした深海魚などは、釣りをしていて引っかかってくることはないのだろうか?
太平洋は波が荒いですが、横浪半島の内側は長い入り江になっていて、いつも海は穏やかです。カニ類はたくさんいますが、すべて新ガニ類です。道沿いにたくさん無人販売所がありますが、いまはミカンぐらいしか売っていません(1袋200円也。)
宇佐を過ぎると(戻り路)また太平洋岸に出ますが、日本列島の太平洋岸は、南西諸島から関東地方にかけてものすごく波が荒いです。波が荒くないと、陸上から流れ込んだ泥が堆積し、岩礁地帯に住むカニ、ヤドカリ、エビは住めなくなります。だから、瀬戸内海にはこういうエビ・カニ類は生息していません。
最後ははりまや橋。自転車の少年の奥にある赤い小さな橋。あまり期待しすぎないで見るとよいです。
高知インターに入ったら、あとはノンストップで岡山インターまで200㎞弱。池ノ浦からは3時間以内で岡山に戻れます。