2026年2月9日(月)
自然科学としての進化生物学
私が行っている研究は,十脚甲殻類(decapod crustaceans)の鋏脚左右性(cheliped laterality)発現の生理学・発生学機構と,左右性の発現から見た十脚甲殻類の進化の研究である。研究に使用する十脚甲殻類の種類は毎年増え,現在では採集できるほぼすべての科(family)が対象になっている。
具体的には,Brachyura(カニ類)やhermit crabs(ヤドカリ類)だけでなく,Astacidea(アカザエビ,ザリガニ,ロブスターなど)・Palinuridae(イセエビ類),Galatheidae(コシオリエビ類)から,Axiidea(アナエビ類)・Callianassidae(スナモグリ類)・Gebiidae(アナジャコ類)・Thalassinidae(オキナワアナジャコ)・Laomediidae(ハサミシャコエビ類)などが研究対象になっている。なお,分類学上は「・・・dae」とつくのは科(family)になり「・・・dea」とつくのは下目(infraorder)になるが,これらのtaxaについて私の扱いは,分類学者とは必ずしも一致しない。
分類学者は,外部形態を見てそれぞれの種の特徴から生物界の包括的体系づくりをめざすが,私は人為的分類(artificial classification)に基づいた「自然界の体系づくり」には興味はない。自然界の生物がどのような過程を経て誕生し,どのような原因で種分化を起こしたのか?最初は微小だった種間の構造(形態)の違いが時間とともに大きくなり,属や科の違いになり,さらには目(もく)や綱(こう)のレベルの違いに発展し,最終的に門(もん)の違いに至ったのか?私はそのプロセス(生命の起源と生物の進化)が知りたい。現代進化学の研究のためには,生物の分類群についてよく知らなければならないが,そのための基礎になるのは「自然分類学」(systematics)である。人為分類学(taxonomy)には,カール・フォン・リンネ(Carl von Linné:1707– 1778)から踏襲された人為分類学の影響が強く残る。
一方,自然分類学の方は分子系統学(molecular phylogenetics)の進歩も相まって,生物のたどってきた道を比較的よく反映していると考えられる系統を示しつつある。
現代進化生物学にとって,自然分類学は不可欠である。人為分類の要素が強い学問(リンネ分類学や生態学)だと,自然科学としての進化生物学にはならず,「思想の科学」になる。過去に「生物進化学」と銘打って「思想科学」がもたらした弊害はあまりにも大きい。権威者にそそのかされて本質を理解したと勘違いしている若い分類学者や生態学者があまりに多いことには辟易する。

図1.岡山空港。JALの沖縄便は午前8時30分発で,那覇空港には10時35分の到着。西表島に行くには,半年前から段取りを整えておく必要がある。まずは,琉球大学熱帯生物圏研究センター・西表研究施設に電話をかけ,研究を予定している期間に,実習などが入っていないかを確認する。宿泊棟の教官室に空きがあれば,宿泊の仮予約をする。(宿泊申込書の提出は2か月前。)次に航空券の予約をする。「往復セイバー乗り継ぎ」便が一番安いが,予約の取り消しはできない。予約の際には,座席の指定もできる。私は,いつも窓側で目の前に翼がないところを選ぶので,機内の後部座席(26番とか28番とか)を指定する。岡山–那覇間は進行方向に向かって左側の席は,日光が差し込むので写真が撮りにくい。一方,右側の席に座ると島は見えない。さらに黄砂が来た時は,島々は全く見えない。

図2.飛行機の操縦席。機内に入る順番を待っているときに操縦席が見えたので撮影した。窓にワイパーがついているところが面白い。最新技術の中に,時代遅れの機器が置いてある感じだ。雨降りの日に,離陸に入る前に滑走路を移動しているときに使うのだろう。操縦席は,思いのほか狭い感じがする。エコノミークラス症候群になりやすいと思う。それと,空気清浄機ぐらいはついていると思うが,気密性が高い空間なので,操縦士のどちらか一方がうっかり「プー」をしてしまったら大変なことになるだろう。「ウエー」となったところに客室乗務員が知らずに入ってきて,凶悪な匂いにやられて倒れた・・・などということはないのだろうか?

図3.沖縄便(航空便)の航路。
岡山空港を出た飛行機は瀬戸内海の近くまで南下する。瀬戸内海の上空をしばらく飛行した後に,九州に入り国東半島上空で南西方向に進路を変える。阿蘇山の真上を通過してさらに南下すると進行方向右に鹿児島空港が見えてくる。さらに南下すると桜島の噴煙が見えてくる。
桜島上空から太平洋に出ると,進行方向左側に種子島と屋久島が見える。さらに南下するとトカラ列島上空に達するが,飛行機はトカラ列島の真上を通過するため,トカラ列島の島々は見えたり見えなかったり・・・。見えても,真上からの写真になるのでうまく撮れないことが多い。しかも,黄砂が来ると島々はぼやけて見にくくなる。
トカラ列島を過ぎると,進行方向左側に奄美大島,徳之島,沖永良部島,与論島が見えてくる。伊平屋島と伊是名島は進行方向に向かって右側になるので,見たければ右側の座席を予約すればよい。
沖縄本島が見えるころから飛行機は徐々に高度を下げて行き,那覇空港には海沿いに下って北側から降りるときと,名護の上空から沖縄本島を横切って沖縄本島の東側に出てから南側から降りて行くときがある。
飛行機が那覇空港に着くのは,10時35分。石垣行きの便は12時20分発。1時間少々空港のターミナルで待機する。
那覇空港を12時20分に立つと石垣空港には13時25分に着く。那覇‒石垣間はいつも進行方向右側の座席を予約する。左側の座席に座ると,那覇空港を離陸してから石垣空港に着くまで海(太平洋)しか見えない。しかし,旧石垣空港が今の場所に移転してから航路が少し西に変更になったようだ。
昔は多良間島がよく見えたが,今ではその西にある水納島(みんなじま)がよく見える。多良間島上空を過ぎると飛行機は高度を下げ,10分もすれば石垣空港に到着する。石垣島の周囲に広がる広大なサンゴ礁(堡礁)が見える。なお,図は京浜昆虫同好会「新しい昆虫採集案内(Ⅲ)」から転載した。

図4.瀬戸内海上空から見る四国の山々。石鎚山(1,982 m),瓶ヶ森(1,897 m),伊予富士(1,756 m)あたりが見えているのだろうか?画像がぼやけているのと,飛行機から写真を撮っているので,それぞれの山の形と高さがよくわからない。水彩画みたいでそれなりに見ごたえはあるようだ(自画自賛・・・)。

図5.大隅半島(鹿児島半島)。私は鹿児島県には何度か行ったことはあるが,大隅半島に行ったことはない。緑豊かな半島みたいだ。ツマベニチョウの分布北限の地としてよく知られている。ツマベニチョウは沖縄本島には非常に多い。花によくとまるので,写真も撮りやすい。他の島では素早く飛ぶので,撮影どころではない。

図6.屋久島。西表島と感じが似ていて,島全体が山に囲まれ海岸には急峻な崖が連なる。屋久島にはニホンザルが分布しており,何年か前サルの行動を調査していた京都大学の大学院生(女子学生)が急斜面から海岸に滑り落ちて死亡した。道路から離れて下に降りて行くと,木々の陰から海岸が見えてくる。上に登るのは大変なので,海岸に下りられる場所を見つけているうちに,足が滑って崖から落ちたのであろう。崖を降りるのは見た目以上に危険が伴う。指導教員がもう少しうまく補佐できなかったのか…と思う。同様な事故は,トカラ列島の諏訪之瀬島で行われた滝の調査の時にも起きた。一瞬の油断が命取りになる。

図7.奄美大島の西海岸。奄美大島の緯度(28.3ºN)になると,島のまわりにサンゴ礁が発達する。奄美大島の海岸も崖は多いが,屋久島やトカラ列島ほど恐ろしい崖は多くない。屋久島と違って,奄美大島の崖には野生のヤギがいる。集団のリーダーを務めている雄ヤギは,威風堂々たる姿をしている。

図8.沖永良部島。奄美大島から沖縄本島までの島々(喜界島・加計呂麻島・徳之島・沖永良部島・与論島・伊平屋島・伊是名島)は,フィリッピン・プレートがユーラシア大陸プレートに潜り込む反動で,海底が隆起しして海面に現れたのだろう。いずれの島でも,島の周囲には堡礁(barrier reef)が発達している。リーフの縁までは陸上から300 m以上ある海岸も多いと思うが,琉球列島では一番古いサンゴ礁でも島が隆起してから8,000年は越えていないようだ。

図9.沖縄本島の辺士名(国頭村)付近。沖縄本島における私の研究場所は,本部半島の海岸から国頭村の河口(estuary)や潮間帯(intertidal zone)である。本部半島の西端からすぐのところに瀬底島があり,島の南海岸には琉球大学熱帯生物圏研究センター・瀬底研究施設(旧瀬底臨海実験所)があり,そこを拠点として調査を行っている。辺士名より20 kmほど南(図の右側)に本部半島があり,瀬底研究施設には瀬底研究施設には半島の先端にかかる瀬底大橋を通って行ける。

図10.飛行機から見る塩屋湾(沖縄本島)。中央に大保大川が見える。
2019年だったかの夏に,沖縄本島でのアナジャコ類(Upogebia)の分布調査を行った。塩屋湾はずっと以前から調査に訪れていたが,ハサミシャコエビぐらいしか採集できなかった。2019年に大保大川(「おおぼおおかわ」と呼ぶのだろうか?)の下流に向かって左側の川岸を調べた際に,ヒメアナジャコ(Upogebia)の多産場所を発見した。ちょうど写真右側の雲がかかっている真下の泥干潟(mud tidal flat)の表面には巣穴がいっぱい開いていた。種類については,種(species)にまで分けてよいのか,地域個体群(type)なのか,現在検討中である。
ヒメアナジャコの学名(属の名称)は,タガログ語で「ひょうたん」 を意味する「Upo」と,ギリシャ語の神話に出てくる「大地の神」を意味する「Geb」から由来している。ヒメアナジャコの属(genus)の名称については,特に大きな問題はない。問題は種名(species)の方である。功名心にはやるのかsakaiiとかmiyakeiとかyokoyaiなどと,「献名」と称して盛んに人の名前をつけたがる人たちがいる。
同様な傾向が,昆虫採集を楽しんでいるアマチュアにも見られる。アマチュアの中には,新種を発見すれば,「献名」と称して種名に氏名をつける者がいる。こんな悪習の歴史は古く,「破門草事件」で知られる矢田部良吉(東京大學),「Asajirella」(ホヤの属)を命名した丘浅次郎(東京高等師範学校),最近まで高等学校の生物教科書に掲載された「渡瀬線」の渡瀬正三郎(東京大學)あたりが発端になったのだろう。
生物の種(species)にどんな学名を付与するかについては,分類学会の中では取り決め(内規)はあるのだろうが,他の学会(例えば動物学会)にはそんな内規はない。当然ながら,法律で決められる性質の事案でもない。
自然の包括的体系(リンネ体系)を構築する場合には,種(species)は自然界を構成するひとつの抽象的な存在に過ぎない。だから,種名は星の名前でも人名でも大した違いはない,と考える人たちがいる。生態学の人たちは,正しいか間違っているかの分析はせず,同種か別種かの区別があればそれでことは足りると考えている。
一方,種の形態的・生理学的・発生学的特性を問題にする分野では,種の形態的・生理学的特徴がよく現れる名称をつける方がよい。矢田部良吉にyatabeiと種名を付けられた伊藤篤太郎は憤慨して「破門草事件」が起きた。yatabeiなどと命名されると,伊藤篤太郎は研究を続けられなくなる。Yatabeiという名前が出るたびに,いまいましい矢田部良吉の記憶が戻ってくるのでは,研究に手がつかなくなるからである。属(genus)は種(species)の命名には,人名は極力避けるべきである,というのが私の意見である。だからsakaii, miyakei, yokoyaiなどは,私の論文にはもう現れないだろう。

図11.辺野古(へのこ)上空。飛行機が那覇空港に南側から着陸するときには,塩屋湾上空から沖縄本島を横切って一旦東海岸に出る。その途中真下に辺野古が見える。辺野古では,普天間基地からの米軍基地の移転作業が行われている。軍人に軍属と家族を含めた沖縄の米軍関係者の数は4万7300人(10年ほど前)というデータがある。沖縄は,太平洋における西側諸国の防衛拠点として,アメリカが最も力を入れている場所である。また,東シナ海では,与那国島も防衛上重要な地点である。与那国島は在日米軍ではなく,日本の自衛隊が中心となって事に当たることができる。中国との間に「戦略的互恵関係」を深化させながら,台湾を支援する。これは官僚出身者や魔人ブーの政治家にはできないことだろう。中国に妙に「おもねった」り,アメリカに「おんぶにだっこ」の時代は終わりつつある。

図12.那覇空港に到着したJALの飛行機。飛行機は到着後に航空燃料の補給,汲み取り(なんて言うか知らないが,急に古い言葉が出てしまった・・・。),機内の掃除をして,次の離陸に備える。「うちなー」とは,内側に住む人たちのことを言うとも解釈できる。だから「うちなー」は,沖縄に住む人たちを言うが,日本の「本土」に住む人たちにも言う,という話を聞いたことがある。「生成AI」の言うことを鵜呑みにしない方がよい。しかしそれは「岩波生物学辞典」でも同じことである。生成AIの方は,自ら間違いのある可能性を認めている。しかし,岩波生物学辞典にそんな文言は見られない。私はむしろ岩波生物学辞典の方が,たちが悪いと思っている。なお,インターネットが使えなくなってから感じたことだが,インターネットがない時代には岩波生物学辞典は貴重な文献だったと思う。問題は,編集者が自分たちの権威を高めるために,執筆する(自称)専門家をえこひいきし過ぎたところだと思う。インターネットが発達して,昔の管理様式は次第に薄れて行くと思われる。

図13.那覇空港の国内線ターミナルビルに置いてあるランの鉢植え。ランの花をしげしげと見つめて写真を撮っているのは私ぐらいだろう。西表島にもランはたくさん自生しているのかも知れないが,植物に関しては,私は被子植物よりも藻類の方に興味がある。見栄えが良いとか,名前が良いとかの印象にも興味がない。

図14.石垣島に向けて離陸するため滑走路に入る飛行機(那覇空港)。この日(2025年7月2日)は,飛行機は北に向かって離陸した。座席は進行方向右側なので,離陸時は写真の正面が北の方向になる。つまり,正面に向かって右は陸地(沖縄本島),左は海(太平洋)になる。那覇空港には2本の滑走路があり,離陸するときには陸側の滑走路が使われることが多い。陸側の滑走路は,自衛隊も使っている。民間の飛行機はひっきりなしに離発着している。スクランブルには支障がないのだろうか?霧が出た時や混雑する時間帯には,着陸時刻に制限がかかる。そんな時には,那覇空港の近くまで来た飛行機は,着陸まで沖縄本島周辺の遠足をしてくれる。天気がよければ,慶良間諸島を見ることができる。島々の周囲を囲むサンゴ礁もよく見える。スコールが移動している場所もはっきりと確認できる。

図15.普天間飛行場(普天間市)。米軍の飛行場で,那覇空港ではない。那覇空港から北に向かって飛ぶと,離陸してからすぐに進行方向右側に見える。離発着するのは主には輸送機だろうが,人口密集地の中を離発着する感じになると思う。状況は,大阪空港(伊丹空港)も似ている。伊丹空港は移転しないのだろうか?

図16.座間味島の上空。 ちょうどUターンして南に向かうところで下を見たら座間味島が見えた。行ってみたい気もするが, 特に。慶良間諸島には琉球大学の研究施設はないと思う。慶良間島に臨海実験センターを作れば,利用者は多いと思う。少なくとも私は長期間利用したい。島でレンタカーを借りるのは難しいだろうから,軽トラの中古でも買って研究センターに置かしてもらうことも考えられる。あるいはセンターの職員と共同利用にする手もある。(承認されるかは不明。)

図17.飛行機から見た水納島とサンゴ礁原。
大潮の干潮時にはサンゴ礁の外縁部が露出する。八重山諸島のサンゴ礁。10名程度が生活している模様。多良間島から10 km近く離れている。
井戸はあるのかないのか?あったとしてもかなり塩分が含まれた水が溜まっているのではないか?塩分濃度が5 ‰(パーミル)(水1リットルに含まれる塩分のグラム数)にもなれば,飲料水としては不向きになる。
<サンゴ礁の分類>
海洋生物学の教科書を見ると,サンゴ礁の形状は大きく3つのタイプに分けられている。ひとつは,陸に裾礁(「裾」はのこぎり状の意味,英語はfringing reef),2つ目は堡礁(barrier reef),3つ目は環礁(atoll)である。
サンゴ礁形成の主体は,刺胞動物門(Phylum Cnidaria)の中に花虫綱(Anthozoa)に属する イシサンゴ(Madreporaria)である。地球上のいたるところに見られる石灰岩の多くは,イシサンゴの仲間が作り出したのかもしれない。 サンゴ礁の成因や構成生物については,いずれ詳しく述べたい。
サンゴ礁は,熱帯から亜熱帯の島々に形成される。サンゴ礁は,マリアナ諸島から小笠原諸島にもサンゴ礁があるが,規模は小さい。硫黄島には,サンゴ礁はないだろう。毎年すごい速度で隆起している島では,隆起の速さにサンゴ礁の形成が追い付かないのだろう。
琉球列島に見られるサンゴ礁についてタイプ分けする意味があるのか,私にはわからないが,大半は堡礁に分類されると考えてよいだろう。奄美大島以北の島々(トカラ列島)では,サンゴ礁は陸地の目の前に見られるが,裾礁ではない。裾礁は,フィリッピンに行くと,海岸によく発達した礁が形成されており,それを裾礁と言う人たちが多いかと思う。環礁は,南太平洋に多く見られるが,例えば水納島でも大波によって島の地層が流されてしまえば,見かけは環礁になるだろう。
私は,琉球列島に広がるサンゴ礁群を「琉球グレート・バリアリーフ」と呼んでいる。グレート・バリアリーフはオーストラリアが有名であるが,リーフへのアクセスは日本の方が格段に良い。グレート・バリアリーフの研究は,オーストラリアだけでなく日本の国内でも可能だというのは世界に誇れることだと思う。自然の中で科学の研究をするのは,大変夢のあることだ。実験室での研究ばかりが現代生物学だと思ったら大間違いである。

図18.石垣島東海岸の上空。Google Earthでないと判定できないが,東海岸の野原あたりが見えていると思う。写真の左上には(新)石垣空港らしき場所が,ぼやけて写っている。飛行機の高度は200 mほどではないだろうか?あと5分もすれば空港に着陸する。サンゴ礁(堡礁)の景観はみごとだが,調査はやりにくい。

図19.着陸直前の石垣島の風景。昔はサトウキビ畑が広がっていたが,今ではいろいろな野菜が作られているのかも知れない。手前に見えるのは牧草地だろうか?向こうに見えるのは名蔵湾。高度は50 mぐらいだろうか? 旧石垣空港へは弾丸直陸をしていたが,新空港へは余裕をもって降下できている。

図20.石垣港の離島桟橋(さんばし)。飛行機の到着は13:25。離島桟橋から大原港(西表島)行きの高速船(八重山観光フェリー)は,14時ジャストの便がある。この便を逃すと,次は15:30(八重山観光フェリー)まで離島桟橋の待合所で待機しなければならない。石垣空港から離島桟橋までバスでちょうど30分かかる。以前は飛行機の到着が14:10だったので,手荷物を受け取り次第バス乗り場(3分ぐらい)まで走れば間に合ったが,今は15分遅れて空港到着なので,13:55までに石垣港の桟橋に着くのは無理。空港を出てからバスに乗ると,桟橋に着くのは15時過ぎになる。石垣港から大原港まで,高速船で30分かかる。大原でレンタカーを借り,大原を出るのは16:20ごろになる。大原(東側)から上原(西側)まで移動中に西表研究施設から電話が入る。「おーい三枝さん,今どこにいるのか?」と・・・。

図21.15:30発の高速船。40分で大原港(西表島)に着く。上原港に着く便もあるが,上原でレンタカーを借りると,とんでもない金額(例えば1か月借りて15万円とか・・・)になる。私が払えるのは3万円ぐらいだ。停泊中の船は「フェリー与那国」。石垣港から4時間で久部良港(与那国島)に着く。今年(2026)の10月には,与那国島に行く予定もある。半年以上も前に(2月初旬)飛行機と宿の予約は済ませた。与那国島の後は西表島にある琉球大学熱帯生物圏研究センターに滞在して長期間の調査を行うことに決めた。こちらも飛行機・宿泊と施設利用・レンタカーの予約は済ませた。10月だとブッポウソウの方が終わっているので気が楽である。
<参考文献>
新しい文献ほど価値があると勘違いしている者が多いが,2026年の生物学は,下記の文献の頃から格段に進歩している訳ではない。数年前にパブリッシュされた原著論文や本でも,読むに堪えない文献は多い。どういう視点で書かれているかを理解することが大事である。
- Castro, P., and M.E. Huber (2005) Marine Biology. Fifth Edition. McGraw-Hill Higher Education. Boston.
- 今堀宏三・田村道夫(1978) 系統と進化の生物学。培風館。
- 岩津都希雄(2010) 伊藤篤太郎‒初めて植物に学名を与えた日本人。八坂書房。
- 井上浩(編) 1974. 植物系統進化学。築地書館。
- ハンソン(八杉龍一訳) 1975. 動物の分類と進化。現代生物学入門 Ⅰ。岩波書店。
- 木村資生(1988) 生物進化を考える。岩波書店。
- 小島圭三・林匡夫(1969) 原色日本昆虫生態図鑑 (Ⅰ) カミキリ編。保育社。
- 向一陽(1994)トカラの青い空から。山と溪谷社。
- コルバート(田隅本生訳) 脊椎動物の進化(上巻・下巻)。築地書館。
- 三宅貞祥(1982) 原色日本大型甲殻類図鑑(Ⅰ)。保育社。
- 三宅貞祥(1983) 原色日本大型甲殻類図鑑(Ⅱ)。保育社。
- Nybakken, J.W. (2001) Marine Biology. An Ecological Approach. Fifth Edition. Benjamin Cummings, San Francisco.
- 小川功(2017) 50 年前の沖縄の船旅 ‒本土復帰前の「アメリカ世」の「島ちゃび」瞥見‒。跡見学園女子大学マネジメント学部紀要24: 1‒23。
- Romer A.S. (1947) Vertebrate Paleontology. University of Chicago Press.
- 周文一(2008) 台灣天牛圖鑑。全新美耐版。猫頭鷹出版。
- 内田亨(1965) 動物系統分類の基礎。北隆艦
- 山田真弓・西田誠・丸山工作(1981) 進化系統学。裳華房。
執筆: 三枝誠行(NPO法人,生物多様性研究・教育プロジェクト,プロジェクト長。理学博士。)
撮影機材: CANON EOS 7DにTAMRON 28‒300 mm F/3.5‒6.3 Di VC PZD(for Canon)をつけて撮影した。
CANON EOS 7Dの中古は現在かなり安く買うことができる。インターネットを通じて買うより,カメラのキタムラで購入する方が安心できる。