ブッポウソウ総合情報センター・ニュース(9月21日号)

令和3年(2021)9月21日(火)

ミマちゃん物語(ブッポソウ雛 一時保護後・無事大空へ)

1)私の名前は「ミマちゃん」
岡山県の真ん中の「吉備中央町の町の鳥」になっている森の宝石「ブッポウソウ」巣立ち直前の子供です。名前の由来は2021年7月東京オリンピック卓球ダブルスで卓球王国中国に勝ち、金メダルの伊藤美誠ちゃんに因んだ名前です。

2)保護される
2021年7月14日町民から「ブッポウソウの雛が巣箱から出て国道に落ち車が止まり4~5人が見舞っています。3日前に落ち巣箱に戻してもらった雛のようです」と通報がありました。急行し両手にとり投げるように飛ばすが飛ぶことができません。

3)身体障害鳥
ミマちゃんは右脚が内側に曲り木に止まることが出来ない。(生れつきか落ちて自動車に轢かれたか不明です)また前進歩行はできず後ろに下がる移動だけしかできないのです。この状態だと皆と南国に行くことができないと思慮され、ブッポウソウの共同研究者である三枝誠行氏に飼育(捕獲)許可をとって頂き飼育を始めました。餌はトンボなどの昆虫と鶏のささ身などを主食とし、自作の専用飼育小屋(1,5m×2,0m×2,0m)で保護しました。

4)逃走
飼育12日目に我が家の中で飛来訓練すると、10畳の間で1周半飛び本棚の中へ(飛べた・ニッコリ)14日目の8月7日夕方、餌やりに扉を開けると股下を潜り抜け大空に旅立ちました。付近の紅葉の木、電線にしばらく止ったあと、東の山の中へ姿は見えなくなりました。半泣きと嬉しさでした。世話を手伝っていた妻より「なんで逃がしたん。飛ぶようになっとったろう」と叱責されました。

5)お礼に訪れる
逃走から5日後の8月12日昼前に自宅横の電線に足が不自由なミマちゃんが、8月末にみんなと南国へ行くお礼に訪れ感動しました。その後は、しばらく山での鳴き声は聞こえてくるが姿は見えず。関係者のみなさんに逃げた事を報告すると「良かった・良かった」と一安心。

6)町内に保護施設の建設希望
毎年、巣箱の取り合いの親鳥や成長不良な雛の落鳥が2~3件あり、落鳥は原則放置でなく一時保護と越冬できる施設を町内に是非希望します。      

(中 山 良 二)  

 以上,中山良二さまからいただいた「ブッポウソウ便り」を掲載しました。

雨の夜に巣箱の入り口で寝ているブッポウソウのメス親。中山良二さんの家の近くに巣箱では,雨が降って寒い日には親(メス)が巣箱の入り口をふさぐようにして寝ていた。巣箱の中には卵が置かれている。巣箱の中に雨が入らないように,入り口をふさいでいるのは,見た目は賢そうなブッポウソウであるが,雨にぬれても卵を直接温め続ける方が,ふ化率は上がったのではないだろうか?
このような行動は,ブッポウソウの他のメス親でも見られるのだろうか。大変興味深い写真である。なお,この写真に写っている個体は,美誠ちゃんではありません。あしからず。

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