ブッポウソウ総合情報センター速報(No. 33)

令和3年(2021)7月19日(月)

7月18日の巣立ち状況

7月18日,昨日(7月17日)より天気は良くなった。午前中は晴れ間が多く,気温が上昇。午後は曇り。調査の終わりの方は雨。18日の調査地域は,吉備中央町の上野,吉川,岨谷(すわたに),大和,北。使われていない少数の巣箱は見ずに,使われている巣箱計45コ(17日と数は同じ)の内訳を示している。

表1.上野,吉川,岨谷(すわたに),大和,北におけるブッポウソウの子育て状況。

<巣立ち状況>
・7月18日時点で巣立ちの終わった巣箱は半分近くに達している。
・1ペア当たりの巣立ち数(平均)は,3.8から4.0ぐらいになりそうである(集計は後)。
・羽軸ヒナや赤ヒナがいる巣箱は,産卵が遅れたためである。
・1ペア当たりの巣立ち数,巣立ち時期は,他地域と比べて大きな違いはなさそうである。
・羽軸ヒナがいる巣箱の巣立ち予定日:7月26日から7月31日あたり。
・赤ヒナのいる巣箱の巣立ち予定日:8月上旬。

<赤ヒナのいる巣箱3つ>
3年前か4年前,7月中旬にブッポウソウの集団が大和にある巣箱(F-06)の近くを通りかかった。子育て中のペアはスクランブルをかけて応戦したが,健闘むなしく,2匹とも落とされてしまった。2匹の親が死んだことは先畑牧場の奥さんから聞かされ,早速電柱に登って巣箱の様子を見た。案の定,4匹の巣立ち直前のヒナは,親からの巣立ちコールが途絶え,エサももらえず,巣箱の中で全部死亡していた。

その前に巣箱を見たときにヒナの動きがないので少しに気にかかっていたが,まさか一家全滅になることなど,全く想像できなかった。

その後2年ほどこの巣箱は使われず,スズメが子育てをした。今年(2021)は,だいぶ遅れたが新しいペアが現れ,2コ(3コだったか)産卵があり,2匹がふ化した(図1)。ここは親の警戒も強く,間違いなく巣立つだろう。

図1.F-06の巣箱にいる赤ヒナ。新しいペアが使い始めた。7月18日。
図2.P-06の巣箱にいる赤ヒナ。これは間違いなく巣立つだろう。
図3.E-17の巣箱(7月18日)。昨年(2020)電柱が撤去されてから,新しい場所の電柱(200mぐらい離れている)に巣箱を移設した。移設のタイミングが遅れたので,親がこの巣箱を発見したのも遅かっただろう。

図2は,吉川にあるP-06の巣箱の中を示している。ここは毎年,せっかく産卵されても,巣箱の外に捨てられてしまうことが多く,設置されて以降トラブルが絶えない。今年(2021)も産卵が大幅に遅れたが,親がちゃんと見張っているので,うまく巣立ちできるだろう。

問題は図3に示したE-17の巣箱である。ここも曰くつきの巣箱だ(事情は後に述べる)。どのヒナもすごく腹を減らしているように見える。写真の左と下のヒナは育つだろうが,真ん中の小さい赤ヒナは危険な感じがする。おそらく親から餌をほとんどもらえていない。元気そうに見えるが,突然パタッと行く可能性がある(吉川Sの巣箱がそうだった)。親が10mほど離れた電線にとまっていたが,すぐに逃げた。ひょっとしたら片親だけで子育てをしている可能性がある。手遅れかもしれないが,一番チビには私が餌をやる必要があるだろう。

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