【ブッポウソウ総合情報センター】速報(No.17)

令和3年(2021)6月24日


ブッポウソウの撮影に適した巣箱(美原1 )

ブッポウソウは,ヒナが全部ふ化すると,親の行動パターンが大きく変化する。巣箱で卵を温めているときには,温める方(オスもメスも両方)は長時間巣箱の中にいて,外にいる方は,巣箱の近くに隠れてペアの片方の卵温めを見守っている。だから,ブッポウソウが見られるのは,卵の温めを交代するときぐらいである。しかも一瞬のできごとなので,シャッターチャンスを逃してしまうことが多い。

ふ化が終わり,ヒナの成長が進むと,メス親は巣箱内にとどまることが少なくなり,エサ運びが始まる。エサ運びに参加する雌雄の「エフォート」は,ペアによって大きく異なるかもしれない。また,同じ巣箱でもペアの年令(つまりその巣箱を利用した経験)によって異なるかもしれない。エサ運びに費やすエフォートの割合が,巣箱によってどの程度異なるのか,またエフォートの違いが子育てにどう影響するか,まだ明らかにされていない課題がある。

写真家の方々は,この点にも大きな注意を払い,雌雄の割合がどの程度だったかを,吉備中央町の協働推進課まで報告していただけるとありがたい(図1)。できれば定量的なデータがあると嬉しい。きれいな写真が取れたら協働推進課にご一報いただけるとさらに嬉しい。

図1.巣箱のヒナにエサを運ぶブッポウソウのオス。2021(令和3)年6月22日。 峰ピョン谷。

6月23日現在で,吉備中央町では多くの巣箱でふ化が最盛期を迎えている。町内で一番ふ化が早かったのは,美原にある「美原1」という巣箱だろう。昨日の雷雨に濡れ,柔らかくなったノートを見ると,「6月19日の3~4日前にはヒナがふ化したと思われる。」という記述が残っている。

図2.「美原1」の巣箱。6月19日。ふ化したヒナは4匹見えるが,
親の下にはもう一匹ふ化したヒナがいるだろう。

このブッポウソウ(メス)は,左足にプラスチックの足環がついている。もう10年近くも同じ巣箱(旧美原F)に来て子育てを行っている(図2)。

他の巣箱を回るのに時間を取られ,美原1はその後見ていないが,6月24日(現在)となれば,ふ化後1週間ぐらいは経過しており,ヒナは5匹とも順調に成長しているはずである。今年(2021)は,昨年(2020)と違い,気温が高く,ヒナの死亡は少なそうだ。

一方,親の方も毎日朝早くから日没後,あたりが真っ暗(dusk)になるまでエサ運びをしていると思う。エサ運びを邪魔しないように,巣箱の川(宇甘川)の側と,美原集落センターの脇から上にあがる道を登ったところから撮影できるだろう。

図3.美原にある巣箱(美1と美2)。どちらも入っている。今年(2021)は,美原集落センター
ではブッポウソウの子育てのリアルタイム映像は見られない。(センターが閉鎖されている。)
センター脇の空き地から撮影することは可能だが,ここのブッポウソウ(美2)はシャイな
性格で,ヒトがいるとエサやりを止めてしまうかもしれない。仮に巣箱に来ても,
いいポーズをしてくれないかも。

美原1の巣箱では,川側の小道に数台ならば駐車スペースがある。くれぐれも県道沿いには駐車しないよう。また,電動車を使って県道沿いの畑にいるおばあちゃんがいる。対向車への注意とともに,このあばあちゃんにも十分すぎるほどの注意を払ってほしい(図3)。

美原2の巣箱では,駐車スペースは集落センターの裏側にある。集落センターの横は住民の方々の駐車スペースなので,ここに駐車するのは不可。一番良いのは,美原1の上の黒塗りの三角で示した場所には,何台か止められる場所がある。ここに車を置いて20mも歩けば,クリの木の枯れ枝にとまるブッポウソウの写真を斜め上から撮ることができるだろう。

何かあれば,美原集落センターの上にある日名義人さんのお宅を訪ねるのがよい。町の協働推進課も可能だが,私自身が美1と美2に十分対応できていないので,新しい情報が入っていないかもしれない。私自身は観光ガイドのようなことはできないので,悪しからず。

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