<令和3年(2021)6月13日>
6月8日に落鳥したブッポウソウは,2時間の大出術を受けて6月13日現在では,元気に生きているそうです。しかし,もう絶対に飛ぶことはできないのは確実です。
このブッポウソウは上腕骨の胸部側の関節部分が大きく破損していました(骨相当バラバラ状態)。鎖骨も一部壊れている可能性があります。
上腕骨のすぐ内側には頸気嚢という肺の一部があって,つつかれた衝撃が上腕骨の関節部分で受け止められて頸気嚢まで達しなかったので生きていられたのだと思います。
一方,5月13日に落ちた個体は,ほぼ同じ部位をつつかれていましたが,これは傷が頸気嚢まで達していて,治療しても助からなかったのだと思います。皮膚,骨,筋肉のように傷を受けてからすぐ修復もしくは再生が始まる組織は,割に死亡する可能性は低いと思われますが,肺のように修復機能がないか,あるいはその能力が低い場合には,一度傷つくと傷口がふさがらないので,見かけは軽い傷に見えても早晩死亡する結果になることが多いのだと思います。
落鳥はこれからも続くと思います。