<落鳥個体に関する翌日の処理>
6月8日に吉川付近で落鳥したブッポウソウは,次の日(6月9日)朝までには死亡すると予想していたが,弱ってはいるものの,生きていた(図1)。
患部には出血はなく,羽の状態は依然として胸部にぶら下がった状態であり,飛ぶことは全く不可能なのは容易に想像できた。しかし,気になったのは,全く鳴かない状態が続いていることと,炎症が内臓(肺)におよんでいる可能性を捨てきれないことであった。5月8日の個体のように,急に容体が悪化して死に至ることが予想された。
抗生剤を投与することと,羽の付け根のどこが破損しているかと,鳴くことができない原因の究明が必要と思われた。抗生剤の投与(治療)は獣医師の資格がないとできない。(私は理学博士なので,動物の傷の手当みたいなことは法律上できない。)どこか適当な動物病院はないかと探してみたところ,すぐ近くに沼本(ぬもと)動物病院があることを思い出した。
早速沼本先生に連絡を取り,夕方5時に負傷したブッポウソウを病院に連れて行った。
沼本先生の最初の感想は,動物は生きるときには生きるし,死ぬときには死ぬというものだったが,治療を始めてからすぐにこれは生きるぞという感触をお持ちのようだった(図2)。
抗生剤の投与に続いて,割り箸を削って左の翼の固定を試みるも,これはうまく行かず。
結局,翼全体を右翼とともに包帯で巻いて,固定することにした。